訪問診療について
近年、高齢化が進んだこともあり、訪問診療を利用する人が年々増えています。
訪問診療を受けられるのは、定期的な診察や投薬などの管理が必要でありながら、歩行困難や認知症などにより一人で通院するのが難しい患者様です。利用を希望数する場合には、本人やご家族の方、すでに介護保険が適用になっている方は担当のケアマネジャーや、かかっている病院などから、クリニックに申し込みます。事前に何か特別なことは必要なく、初診の結果、適応であれば訪問診療を受けることができます。
訪問診療で受けられる内容は、医師によって若干異なりますが一般的には、全身の健康管理から、高血圧、糖尿病といった生活習慣病や認知症などに対する投薬治療と経過観察まで、総合内科的な診療を受けることができます。当院では、整形外科を得意としており、膝関節や肩関節の痛みなどへの注射療法のほか、巻き爪や褥瘡の治療まで幅広く対応いたします。また当院のような在宅療養支援診療所であれば、24時間対応で電話再診や緊急時の往診を行っています。
また、骨折した方や関節や脊椎などの手術を受けて退院した方、脳卒中の後遺症などがある方など、診察の結果、主治医が必要だと判断すれば、医療保険または介護保険で医師管理のもと訪問リハビリテーションを受けることができます。自宅を理学療法士や作業療法士が訪問し、日常生活に必要な道路・階段など周囲の環境に応じた動作の練習、ストレッチ運動などのリハビリテーションを行います。
主な診療内容
整形外科
- 肩こり、腰痛、しびれ、ロコモティブシンドローム
- 膝関節症・肩関節症などに対してのヒアルロン酸注射治療
- 骨折の保存的治療
- 骨粗鬆症治療
リハビリテーション科
- 運動器障害、脳卒中後遺症、片麻痺、廃用症候群
- 訪問リハビリテーション
総合診療内科
- 特定の臓器、疾患に限定せず幅広い診療
- 経管栄養、胃癭、人工肛門、膀胱留置カテーテルなど
- 糖尿病、高血圧、高脂血症などの投薬コントロール
- ワクチン接種
皮膚科
- 褥瘡の管理、治療、帯状疱疹等への投薬
精神科
- 認知症の各種内服薬による治療
- うつ病、統合失調症などのコントロール
- 各種癌や、食欲不振・嚥下困難など老衰症状のターミナルケアもご相談ください。
対応可能な検査
- 血圧測定
- 酸素飽和度モニター
- 血液検査
- 尿検査
- 往診用レントゲン
- 心電図
- コロナ抗原検査
- PCR検査(要予約)
- インフルエンザ抗原検査
訪問診療の流れ
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訪問診療のお申し込み
本人やご家族、ケアマネジャーの方などから電話もしくはFAXにて当院へご連絡ください。FAXの場合は所定用紙(病歴や連絡先などを確認するアセスメントシート)をダウンロード・印刷していただき、ご送信ください。当院より改めてご連絡いたします。
TEL 03-5301-0360
FAX 03-5301-0362
詳細を伺った上で、当院で訪問診療が可能か折り返しご連絡いたします。
ご希望があれば、一度スタッフがご自宅にお伺いし、当院のサービス内容・料金などをご説明いたします。 -
日程が決まりましたら、医師・スタッフで訪問いたします(初診)
医療保険証・介護保険証、負担割合証、難病受給者証、特定医療費自己負担上限額管理票等のコピーをご用意ください。かかりつけ医がいらっしゃる方は紹介状もご用意ください。
患者様・ご家族のお話を詳しく伺い、ご希望を最大限に考慮して今後の在宅診療の方針をご提案いたします。疑問点やご要望など、遠慮せずにお申し付けください。
ケアマネージャーの方には「居宅療養支援指導書」を、ご家族へは「在宅診療計画書」をお渡しします。初診で体調や病状などを確認した後、問題がなければ契約を交わして訪問診療がスタートします。診療は基本的に月に2回で、1回あたり10〜20分程度ですが、病状などによって変わります。
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医師や看護師が訪問自宅などで診療を実施
医師や看護師が、脈拍や呼吸、血圧、体温、四肢のむくみ、栄養や睡眠の状態などをチェックします。必要に応じて、投薬治療や血液検査の採血なども行います。
定期的な訪問の他、24時間の電話対応や、医師が必要と判断した場合の緊急・臨時往診にも伺います。 -
必要に応じて在宅でのリハビリテーションを実施
主治医が認めた場合、訪問リハビリテーションを受けられます。セラピストが週に1~2回訪問し、1回60分でリハビリテーションを行い、ベッド上での廃用予防や屋外歩行訓練までADL(日常生活動作)の改善によるQOL(生活の質)の向上に取り組みます。
料金のご案内
訪問診療のご費用(1割負担の場合)
ご自宅で療養されている方の場合 |
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1ヶ月あたり:約7,000円ほど(1割負担/月2回の訪問診療を受けた場合) |
施設等で療養されている方の場合 |
1ヶ月あたり:約2,000〜6,000円ほど (1割負担/月2回の訪問診療を受けた場合、施設の形態・入居人数等により異なります) |
- 初診月は上記と異なります。
- 上記の他に、訪問診療の回数・往診・処置・電話相談(電話再診)・介護度等に応じて費用が変わる場合があります。(退院後の場合も費用が異なります)
- 診察費用等は、医療費等の改訂に伴い、変更になる場合があります。
訪問リハビリテーションの料金目安(1割負担の場合)
訪問リハビリテーション |
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1回あたり60分 約900円 |
- 患者様の症状、状態による加算等で多少異なりますのでご了承ください。
- 医療保険と介護保険の適応や、料金の詳細に関してはこちらをご覧ください。
- まずは当院医師が診察を行い、適応を判断した上で開始させていただきます。
- 当院では基本的に訪問リハビリテーションのみの提供は行っておりません。
Q&A
- 往診と訪問診療の違いは?
- 往診とは、患者様及びご家族方の求めに応じて、患者様のもとに訪問し診察することを指します。
訪問診療とは通院が困難な患者様に対してあらかじめ予定を立て、定期的に決まった日時に訪問し診察することを指します。 - どのような人が利用可能ですか?
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- 定期的な診察が必要だが病院への通院が困難な方
- 寝たきり、寝たきりに準じる状態の方
- 退院後ご自宅で療養生活をされている方
- ご自宅での療養を希望されている方
- 初めての利用で緊急往診してもらえますか?
- 申し訳ございません。当院では定期訪問をしている患者様に限り緊急往診を行っております。
- 訪問日時は指定できますか?
- 訪問日時はできるだけご要望に沿えるようにご相談のうえ決定いたします。
基本的に同じ曜日・時間で承っておりますが、どうしてもご都合が悪い時は可能な限り調整させていただきます。できるだけ予定の時刻にお伺いしておりますが、急患対応や交通事情などにより遅れることがありますのでご了承ください。訪問予定時間の前後30分ほどを目安としていただき、大幅に遅れることが予想される場合には、お電話を差し上げております。 - どのくらいの訪問頻度で診てもらえますか?
- 症状によっても異なりますが基本的には月2回、隔週で訪問診療いたします。
- 今まで使っていたお薬の処方もしてもらえますか?
- 医師の判断のもと、必要に応じてこれまでにご使用になられていた薬も処方いたします。
- 薬はもってきてもらえますか?
- ご要望があれば、当院と連携している薬局の管理薬剤師がご自宅にお届けし、服薬の指導・管理を行います。
- 急に症状が悪化した時は?
- 緊急時はクリニックに直接ご連絡ください。電話での相談・指示、状況に応じて往診等適切な対応をとらせていただきます。24時間365日医師が対応いたしますのでご安心ください。
- いつも同じ医師に診てもらえますか?
- 原則、定期的な訪問診療や緊急時の電話対応は主治医が行います。
- 在宅医療を始めるにあたって用意する物は?
- お手数ですが、医療保険証・介護保険証(介護保険を利用されている方)のコピー・紹介状(かかりつけ医がいる方)のご用意をお願いいたします。
- 訪問で対応できない病気・けがのときは?
- 患者様の状況・必要に応じて、主治医が連携先、もしくはご希望の病院をご紹介いたします。
当院と連携している病院のリストはこちらをご覧ください。 - 定期的に病院への通院も可能ですか?
- はい、継続して通院することもできます。
在宅医療を開始した後にも、今までかかっていた先生にときどき受診されたい方もいらっしゃると思います。専門的な検査や治療などは今までの主治医の先生に、日常診療は私たちにという病診連携も積極的に取り組んでおりますので、患者様のご希望を伺いながら受診の方針を決めていきたいと思っております。 - 入院が必要となったときに元の病院に入院することは可能ですか?
- 原則的にはご相談のうえ、患者様のご希望に沿えるよう以前入院されていた病院、または病態にあった病院に依頼させていただきます。
- 支払方法は?
- 診療料及び利用料等のお支払いは、口座振替となります。月末締めの翌月20日前後に請求書を発送、27日(土日祝日の場合は翌営業日)にご指定の銀行口座から自動引き落としとなります。
- まだ依頼するか相談中。事前に家族との相談の場を設けることはできますか?
- はい、可能です。電話では話しづらいことなど、ご相談がある場合はクリニックの外来受付までお気軽にお越しください。担当の事務員がご説明いたします。ご説明のみの場合は料金をいただいておりません。
- 訪問診療を受けるのに保険はききますか?
- 訪問診療・訪問リハビリは医療保険・介護保険が適応されます。
費用についての詳細は、「料金のご案内」をご覧ください。